囁き(うたかた)♪

旧 *Lotus Gate blog
麻井シキは詩を書かない( ,,Ծ ◡ Ծ,,)

[麻井シキ] 喩機の暗病の何火で獨り雌覺めてゐること

〈喩機の暗病の何火で獨り雌覺めてゐること〉
喩機の暗病の何火で獨り雌覺めてゐること
手折れる癪寢角光芒の名歌で獨り見身澄ますこと
藏く實ったわ他氏の身
倒って片見とするか
遏垢帆澆潰した矛怨の子穢を獨り詐溜めること
自昇華文字と言葉である
刺して首って阿含めよ子死尊孫
わたしが祓むのは詩だけだ
20220506 麻井シキ

雨のすじの間からまぼろしを見た。

〈雨のすじの間からまぼろしを見た。〉
雨のすじの間からまぼろしを見た。
夜の、灯りと ひらけた 土 囲む 木々
 音 風の、ここでわたしは生まれた
  見えない視線がぴとぴとと蜘蛛の巣を張り
空想を埋めるのは光と音
ぼうっとするというやりかたはしらないけれどからだはぼうっとするやりかたをしってい
てからだがぼうっとするとあたまもぼうっとします
持って出てきた珈琲の指に感じるあたたかさと 上がったばっかりのお風呂の洗剤の匂い
が
「現実に引き止める」とは何かということを思い出させる

かえり道は昔へ遡るよう
帰った家はわたしのお腹の中でした
20210519 麻井シキ

わたしを喩える楠の葉や烏の肺と

〈わたしを喩える楠の葉や烏の肺と〉
自分の事なんか置いちゃって
どくどくと血を流すからだからきれいな耳飾りを垂らして
――自分の身の事は自分でやりなさい
今日も部屋をきれいに掃除します
わたしを喩える楠の葉や烏の肺と
べちゃべちゃと垂らした跡をたどってください

わたしたちみんなおんなじ
花と          あなたの食道をください
あおむしと
    柿の木
 ざくろの実 ――いつになったら「     」?
そんなこと望んでないくせに。
20210517 麻井シキ

何食わぬ顔をして日々を暮らし

〈何食わぬ顔をして日々を暮らし〉
何食わぬ顔をして日々を暮らし
 何にも目覚めないことだけでかろうじて夜を起きている
 ひとりでいることにしか意味のない壁へ今日も帰る
習慣は儀式を隠しわたしを裏切る
この分裂の片方だけに加担することをわたしは許さない

弱き者はいない
 しいたげられたものはいない
 自負を暮らすものはしいたげられない
 暮らしに自負を持つ者は修辞を完成させる
(山折りにする)
20190822 麻井シキ

〈言葉をただ現実へ変えられる詩人をうらやんだ〉
言葉をただ現実へ変えられる詩人をうらやんだ
……わたしの現実は内省するから
どうして言葉はかれらの目の前に立っているのでしょう
散大した目で眺める無言になりたい
「夢の中で生きてんの、」がわたしの言い訳なので――
時間はぐちゃぐちゃです、何回も行ったり来たりするので
(ここで無言が言葉を聞いている)といいのですが 。
家から毎日立って歩いたりしているのは 花
幻の中で鳥になって這ったりする

わたしは言葉に許されるのでしょうか
言葉をただ現実へ変えられる詩人をうらやんだ
かれらのルールを言葉と呼んだ

   わたしは肺の中に紙を敷き
時間をゆっくりとかき消して
   文字
はなぜ在るのでしょうか?
20190324 麻井シキ

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